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低糖質・高タンパク質食で作業記憶能が低下する可能性

低糖質・高タンパク質食生活が作業記憶脳に与える影響について、マウスを使った研究が行われています。実験の結果、海馬の神経可塑性が低下し、作業記憶も低下することが示されました。




低糖質・高タンパク質食は近年、市場の拡大が続いており、消費者の間で広く浸透しているといいます。

しかし血糖コントロール能の向上など効果の多くは肥満や糖尿病患者で検討されたものであることから、健康な体に対する影響、特に健康な脳への影響は不明でした。

群馬大学の研究グループは、低糖質・高タンパク質食を健康なマウスに4週間にわたって摂取させました。

その結果、体重の増加率や血糖値、体重当たりの脂肪重量は対照群と比べて有意に低くなりましたが、一方で体重当たりの腎臓重量は有意に高くなりました。

次に、これらのマウスの作業記憶をY字迷路試験を用いて評価しました。

Y字迷路試験では、マウスに8分間にわたって迷路内を探索させて「アーム」への進入順序と進入回数を記録します。マウスが連続して異なるアームを選択した確率を成功率として算出して、その確率が高いほど作業記憶能が高いと評価します。

実験の結果、Y字迷路の成功率は低糖質・高タンパク質食のマウスで低下することがわかりました。

海馬が担う作業記憶や学習機能などの認知機能を支える要因として、海馬での神経細胞への乳酸の輸送があります。

作業記憶の低下において、乳酸の輸送担体の発言量には影響はありませんでした。

しかしながら、Dcx mRNAやIgf-1r mRNAの量が海馬で低下することから、研究グループは海馬の神経可塑性の低下を通じて作業記憶を低下させることが示されたとしています。

低糖質・高タンパク質食生活で作業記憶能が低下-海馬の健康と食生活の関係を示唆-