眠らなくても特定の神経回路を刺激することでマウスの記憶力が上がったと、理化学研究所などの研究チームが科学誌「Science」で発表した。
実験では、マウスを滑らかな床に10分間置いて飼育箱に戻し、翌日、今度は半分が滑らかで残りは「でこぼこ」の床に置いた。すると、マウスはでこぼこの床に長くいた。滑らかな床の記憶が残ることで、でこぼこの感覚に興味を示したとみられる。
研究チームは、マウスの脳波の解析などから大脳新皮質のなかで触覚の記憶を定着させる神経回路を特定した。
実験直後に眠らなかったマウスの場合では、翌日は記憶がなくなっていたが、一方で今回特定した神経回路を刺激すると、眠らなくても4日後も記憶を保っていた。
睡眠不足の状態であっても、適切なタイミングで脳を刺激することで知覚の記憶を向上できたという。
参考:朝日新聞