日本人の1日あたりの食塩の摂取量は成人男性で10.0グラム、成人女性で9.3グラムと言われており、WHOの基準と比較してもとても多いとされています。
近年は健康志向の高まりから減塩食品の市場が拡大していますが、多くの人が減塩食に不満を抱いているとのこと。
明治大学やキリンの研究グループは、人体に影響しない微弱の電流を使うことで疑似的に食品の味の感じ方を変えることができる、「電気味覚」という技術の活用について研究を行っています。
その結果、減塩食の味わいを増強させる独自の電流波形を開発して、減塩食を食べたときに感じる塩味をおよそ1.5倍に増強させることに成功しました。
キリンによると、減塩に取り組む人たちが濃い味で食べたいもの1位はラーメン、そして2位がみそ汁です。
減塩するために普段は控えているラーメンをご褒美食として濃い味で食べたい、あるいは日常的に食べる習慣がある汁物をおいしく食べたいというニーズが高いという。
そこでキリンは、ラーメンや汁物を食べるのに適した電気味覚の技術を搭載した「エレキソルト-スプーン-」と「エレキソルト-椀-」を開発しました。
このスプーンは、柄にあるスイッチで電気を入れて4段階ある好みの強度を選択すると、通常のスプーンと同じように使用することで先端から微弱電流が食品に流れて塩味を増強する効果が発揮されるという。
椀もまた、側面にあるスイッチで電源を入れて4段階の強度を強度を選択し、通常のお椀と同じように使用します。お椀の底部を手で持つことでお椀内部に微弱電流が流れて効果が発揮します。
スプーンはラーメンのレンゲ代わりに使ったり、その他もスープやカレーを食べるときに使うことができます。
お椀であればみそ汁の他にもラーメンやうどんの取り分け用の器としても使えます。
今後、実証実験を行った上で2023年の発売を目指すとしています。