長いまつげは目をハッキリ見せることができるため、「つけまつげ」を常用している女性も多いです。もともとは欧米女性の長いまつげへの憧れから流行りだしたようですが、それにしても、少々長くしすぎている女性も・・・。生物学的にいえば、どのくらいの長さがちょうど良いのでしょうか。そんな研究をしている研究者がいるようです。
米ジョージア工科大学のデビット・フー氏らの研究チームは、ちょっと変わった「まつげの法則」を発見しています。研究のきっかけは、「人間にはなぜまつ毛があるのだろうか」と、生まれたばかりの娘を眺めているときに考えだしたのが始まりだそうです。
まつげの法則
研究チームは、まずはじめに「まつげ」の長さを調べました。アムールハリネズミのような小さな動物からキリンまで、22種類の哺乳類のまつげの長さを測定しました。
すると、体の大きさに関わらず、どの動物でもまつげの長さは「目の幅の3分の1」であるという法則を見いだしました。
生物の体の特徴には、どんなことであれ必ず理由が存在します。まつげの長さに法則性があるのでしたら、そうでなければならない理由があるはずです。
なぜ、まつげは「目の幅の3分の1」でなければならないのか。どうやら「まつげ」のもつ機能に理由があるようです。
研究チームによると、まつげには「目への風(空気の流れ)をコントロールして乾燥と微粒子から保護する」役割があるという。そして「目の幅の3分の1」という長さがちょうどよいようです。
もしまつげが目幅3分の1より短いと、風を遮る能力が不足していしまいます。一方、それよりも長い場合はまつげが「筒」のような機能をもち、逆に風を角膜の方へと送ってしまうという。
目幅3分の1のときに、ちょうどよく目を乾燥と微粒子から守る空気のゾーンを形成することができるわけです。
日本人はまつげが短い
そもそも日本人はまつげの長さが短いようです。
日本人の平均的なまつげの長さは、約6.8ミリメートル。一方、欧米女性のまつげはおおむね8.1ミリメートルだという。もともと欧米人のほうが目が大きいため、それに応じてまつげの長さも長いのは当然のこと。
無理にまつげの長さだけを変えてしまうと「まつげの法則」に反してしまい、目を乾燥と微粒子の嵐にさらしてしまう危険があります。やはり生物のからだには全てにおいて意味があるようです。