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細胞を傷つけずに酸素代謝を計測できるシート型センサーを開発

細胞の酸素代謝計測

 細胞を傷つけずに酸素代謝を計測できるシート型センサーを開発したと、東京大の一木隆範准教授らとニコンが米科学誌「PLOS ONE」で発表した。細胞の品質管理や医薬品の開発への応用が期待される。

 細胞の品質を評価する指標の1つとして細胞の酸素消費量があるが、従来のセンサーでは培養液中の酸素濃度は計測できても個々の細胞ごとの酸素消費量は知ることができない。また、従来の方法では細胞1つあたりの代謝を測定するには培養シャーレから細胞をはがす必要があり、細胞を傷つけてしまうという問題点があった。

 今回開発したセンサーは、透明なポリマーシートの表面に直径90マイクロメートルの穴が多数あり、その中に酸素濃度によって発光が変化するリン光発光性錯体のセンサーを備えている。

 個々の細胞やコロニー単位で代謝活性を計測できるため、薬効評価や細胞の品質管理に役立つほか、生体組織の細かい部位ごとの挙動を調べることができるという。

(via マイナビ