
ジャガイモの保存場所として冷蔵庫を選んでいませんか?「野菜だから冷蔵庫で」と考える人は多いかもしれませんが、ジャガイモに限っては、この保存法が健康上のリスクを高める可能性があります。そのカギとなるのは、高温調理で発生する発がん性物質アクリルアミドです。
冷蔵庫で起こる「低温による甘味化」
ジャガイモを冷蔵庫(一般的に6℃以下)で保存すると、細胞内で特殊な生理現象が起こります。これは「低温による甘味化(Cold-induced Sweetening: CIS)」と呼ばれ、ジャガイモが寒さから身を守ろうとする防御反応です。
ジャガイモの塊茎(イモの部分)は、収穫後も生きています。外気温が低下すると、ジャガイモは細胞が凍結して破壊されるのを防ぐため、体内の成分バランスを調整する耐寒性(凍結耐性)を高める仕組みを働かせます。この凍結防御の重要な手段の一つが、「浸透圧調整」です。
低温環境にさらされると、ジャガイモの内部ではデンプンを分解するアミラーゼなどの酵素が活性化します。これにより、主成分であるデンプンが分解され、ブドウ糖や果糖、ショ糖といった低分子の糖に分解されます。
低分子の糖は、細胞内の液体の濃度(浸透圧)を高める「溶質」として働きます。細胞液の濃度が高まると、水の凝固点(凍る温度)が低下し、凍りにくくなります。
このように、低温甘味化で生成・蓄積される還元糖は、ジャガイモの細胞を凍結から守る不凍液のような役割を果たしています。
通常、還元糖はエネルギーとして消費されますが、低温下ではその代謝が鈍くなるため、糖分がどんどん溜まってしまうのです。これが「冷蔵庫でジャガイモが甘くなる」正体です。
この凍結防御のための生理作用が、人間がジャガイモを食べる際には「アクリルアミド生成のリスク」という形で影響を及ぼします。
アクリルアミド生成のリスク増加
アクリルアミドは、ジャガイモなどのデンプン質食品を120℃以上の高温で加熱(揚げる、炒める、焼くなど)した際に、還元糖(ブドウ糖、果糖など)とアスパラギン(食品中のアミノ酸の一種)が反応することで生成します。
低温貯蔵によって還元糖が多量に蓄積されたジャガイモを高温調理すると、この反応が起こりやすくなり、結果としてアクリルアミドが通常よりも格段に多く生成されてしまうのです。
このリスクは、フライドポテトやポテトチップスなど、揚げ物やオーブン調理をする際に特に高くなります。もし冷蔵庫に保存してしまったジャガイモがある場合は、揚げ物や炒め物ではなく、煮込み料理やマッシュポテトなどに活用することをおすすめします。



















































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