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iPS細胞を効率よく大量培養する装置を開発 8日間で10億個に

iPS細胞培養器

 iPS細胞を効率よく大量培養できる培養装置を、東京女子医科大とエイブルが共同開発した。100ミリリットルと500ミリリットルのタイプがあり、今後は基礎研究向けの少量タイプと大量生産用の大型タイプの開発も進めるという。

 再生医療では細胞移植の際に患者1人あたり10億個レベルの細胞が必要となってくる。10億個の細胞を得るには数十枚の培養皿が必要となるが、今回開発した装置では1000万個のヒトiPS細胞を、8日間で100倍の10億個まで増殖させることを確認した。

 装置の容器内部には回転する樹脂製の羽根を備える。1分間に20回転ほどの低回転で撹拌し、iPS細胞にストレスを与えず大きさが均一な細胞塊を増やせる。撹拌しない状態では細胞塊が容器の底に沈むため、培養液の上澄みを回収して培地の交換が簡単にできる。

 また、容器には培養液中の酸素濃度や水素イオン濃度を測定できるセンサーを設置している。

(via 日刊工業新聞