ブルガダ症候群の患者が致死性の不整脈を発症するかどうかについて、特定の遺伝子変異で予測できる可能性が日本医科大学などの研究で明らかになりました。
ブルガダ症候群は、心電図で「ST上昇」という特徴的な波形を示す疾患で、原因となる遺伝子異常の一つとして「SCN5A変異」が知られています。
研究チームは、ブルガダ症候群でSCN5A変異の有無が調べられた患者415人について、変異の有無と致死性不整脈の発症の関係を調べました。
その結果、415人のうち14%で変異が認められましたが、変異をもつ患者では有意に致死性不整脈が多く発症することがわかりました。
SCN5A遺伝子は、心筋細胞のナトリウムイオンの通り道となる、ナトリウムイオンチャネルの電気信号を調整する遺伝子です。
ナトリウムチャネルにおいて、変異の部位がナトリウムイオンの通り道(中心孔領域)にある場合はより致死性不整脈が多く発症することも明らかになりました。
今回の研究から、ブルガダ症候群において致死性不整脈の発症を予測するために、SCN5A遺伝子の変異の有無を調べる重要性が確かめられました。