研究グループは、磁気共鳴画像法(MRI)を使って60代のボランティア400人の脳を調べた。実験当初から、肥満の被験者の海馬は標準体重を少し超えた被験者のものよりも小さかった。米国疾病予防管理センター(CDC)に指標では、身長175センチで体重が77~92キロであれば太りすぎ、92キロを超えると肥満とみなされる。
さらに肥満の被験者の海馬は、細身の被験者よりも早く収縮していくことが明らかになったという。その収縮率は記憶喪失や気分変動、集中力と意思決定力の低下につながるという。
肥満になると脳が収縮する仕組みについてはまだ解明されていない。しかし1つの可能性として、脂肪細胞が増えると侵出する免疫系化学物質の量も増え、海馬で細胞死を促進しつつ細胞誕生を抑制するという2つの影響が考えられるという。
参考:ナショナルジオグラフィック