木箱に整然と並べられた昆虫の標本は、博物館などで一度は見たことがあると思います。ドイツにある博物館では、なんと昆虫標本を3D化してオンラインで誰でも無料で見られるようにするプロジェクトが進められているそうです。昆虫好きのひと、必見です。
ベルリン自然史博物館では、6階建ての建物を約1500万種もの生物標本が埋め尽くしているそうです。しかしその中には、長い間だれの目にも触れられずホコリをかぶっている標本も数多くあるという。実にもったいない。
そこで、同博物館に所蔵される標本をカメラで撮影して3D化して、誰でも気軽に見られるようにしたのが今回のプロジェクトだという。
撮影には専用のスタジオが準備されました。
撮影ブースに標本をセットして、さまざまな角度から3000~5000枚の写真を撮ります。
撮影された画像はコンピューターを使って3Dモデルへと合成されます。昆虫の体を100以上の角度から見ることができて、超高解像度の画像はクローズアップなども自由にできます。
標本をデジタルデータにすることは、どこからでも自由に閲覧できるというメリットの他にも「標本の保護」という側面もあるようです。
標本を並べたケースを取り出したりする度に、小さな昆虫の脚や羽などの部分が取れてしまうなど、その昆虫の貴重な情報が失われるリスクがあります。ところが一度デジタル化してしまえば、半永久的に保存できるというわけです。
今回使用されたシステムを用いて、世界各国の博物館にある標本がデジタル化されて、世界中のどこからでも見ることができる時代がやってくる可能性は高いのではないでしょうか。
(via Gigazine)