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唾液中のタンパク質成分が新型コロナウイルスの感染を防ぐ仕組みを解明

唾液中のタンパク質成分が新型コロナウイルスの感染を阻害することがわかりました。新たな感染予防薬や治療薬の開発につながる可能性もあります。




新型コロナウイルスは、ウイルス表面にあるスパイクタンパク質(S1)がヒト細胞の膜上に存在するアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体と結合することで感染します。

大阪公立大学の研究グループは、ウイルスタンパク質S1とACE2の結合実験を行い、唾液が濃度依存的にこれらの結合を阻害することを明らかにしました。

さらに、ACE2と結合する成分として、唾液のなかから4種類のタンパク質(ディフェンシン-1、リゾチームC、ヒストンH2A、好中球エラスターゼ)を特定しました。

その中でも、好中球エラスターゼとヒストンH2Aという2種類のタンパク質がS1とACE2の結合を顕著に阻害することも明らかにしました。

ヒストンH2Aはアルギニン残基が11%、リジン残基10%など塩基性のアミノ酸に富み、等電点が11です。また、好中球エラスターゼもまたアルギニン残基9%をもち等電点が9.7あります。

これらの結果から、健常者の唾液中の正電荷タンパク質がACE2の負に帯電した分子表面を覆うことで、ウイルスの侵入に対する障壁となることが示されました。

また、塩基性を示すαおよびεポリ-L-リジンとポリ-L-アルギニンで結合阻害実験を行ったところ、これらすべての塩基性ペプチドがS1-ACE2結合を強く阻害することがわかりました。

なかでもε-ポリ-L-リジンは、αポリ-L-リジンと比べて10倍も阻害効果が高いことから、カチオン性天然物質の有用性が示されました。

これらの研究結果が新たな感染予防薬や治療薬に応用されることが期待されます。

唾液中のタンパク質が感染を阻止!COVID-19から身を守る鍵が「唾液」にもあることを解明!ウイルスとの結合を阻害する唾液中のタンパク質を同定(大阪公立大学)

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