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肝細胞がんでレトロウイルス由来RNAが発現、悪性度や再発率に関与

 肝細胞がんではレトロウイルス由来のRNAの発現が活性化し、がんの悪性度や再発率と関連すると、理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センターの研究グループが28日付の英科学誌「Genome Research」で発表した。肝細胞がんの病態の解明や診断マーカーなどへの応用が期待できるという。

 研究グループは、肝細胞がん患者から肝臓組織を採取し、がん化した細胞とその周辺のがん化していない細胞からRNAを抽出した。

 タンパク質に翻訳されないRNA「ノンコーディングRNA(ncRNA)」に着目したところ、がん細胞では4756個のncRNAについて発現量が増加していた。そして、そのうち20%がゲノムに取り込まれたレトロウイルス由来の特定の繰り返し配列を含んでいたという。

 また、この配列を多く発現している肝細胞がん患者では、がんの悪性度や再発率が高いこともわかった。

(via 日刊工業新聞