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微少重力下では線虫の筋肉もやせ細る

 国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」での線虫を使った実験で、微少重力下では筋肉がやせ細ることが確認されたと、東北大の東谷篤志教授らの研究グループが英科学誌「npj Microgravity」で発表した。

 「きぼう」には、同じ細胞を微少重力で育てる実験区「μG区」と、遠心機を使って人工的に重力を与えて育てる実験区「1G区」がある。

 研究グループは、線虫を2つの実験区で育てて体の変化を比較した。

 その結果、微少重力下では運動する頻度が極端に低下することがわかった。また、エネルギーの代謝や細胞骨格が低下することも明らかになった。

 線虫のような非常に小さく軽い生物であっても重力が個々の細胞ごとに影響を及ぼすと考えられ、生物は微少重力環境に応じた体に変化することが強く示唆されたという。

(via 東北大学