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音楽には運動後の副交感神経活動の低下を和らげる効果がある

 音楽が運動後の自律神経活動に良い効果をもたらすことを実証したと、東北大の上月正博らの研究グループが米科学誌「PLOS ONE」で発表した。新しいリハビリテーションプログラムの確立につながると期待される。

 運動を行うと、短期的には交感神経活動が増加したり副交感神経活動が低下したりする。この変化は運度後に回復するが、副交感神経活動の回復の遅れは運動後の致死性の不整脈や心臓突然死のリスクを高める。

 研究グループは、若年健常者を対象として、気分を落ち着かせる音楽を聴きながら自転車こぎ運動を行う実験を行った。

 被験者に、(1)何もしないで座っている(安静セッション)、(2)気分を落ち着かせる音楽を聴きながら座っている(音楽セッション)、(3)「ややきつい」くらいの自転車こぎ運動を行う(運動セッション)、(4)音楽を聴きながら自転車こぎ運動を行う(併用セッション)―という4つのセッションを別の日に15分間行ってもらい、セッション前後の自律神経活動を心拍変動解析ソフトを用いて測定した。

 その結果、音楽セッションの終了後は副交感神経活動が増加し、運動セッションでは逆に低下していた。一方、音楽と運動の併用セッションの終了後の副交感神経活動は、介入前とほぼ同じことがわかった。

 つまり、音楽が運動による副交感神経活動の低下を和らげたことを示すという。

(via 東北大学