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「川崎病」の治療法を診断する方法を開発

 川崎病の治療法を診断するのに三重大の研究グループが開発した試薬が有効であることがわかった。患者に合った治療法を選択して後遺症を防ぐことができると期待される。




 川崎病は、全身の血管に炎症を起こす病気で主に乳幼児が発症する。心臓の血管に冠動脈瘤ができる後遺症が残る可能性があるため、早期に治療することが望まれる。

 最初に血液製剤「ガンマグロブリン」を使って治療するが、約15%の患者には効果がないため、タイムロスとなるために後遺症のリスクが高まる課題があった。

 患者111人の血液を調べたところ、発症時に体内で作られるタンパク質「テネイシンC」の値が高い患者はガンマグロブリンが効きにくいことがわかった。

 そのため、テネイシンCの値が高い患者については、初期段階でガンマグロブリンとは別の治療法を選択することができる。

 研究グループは以前、心筋梗塞や心不全の重症度を測定するためにテネイシンCの血中濃度を測定する試薬を開発している。2年をめどに診断薬の実用化を目指すという。

参考:伊勢新聞