バイオ研究と仕事術を紹介するネットメディア 5.15 Wed

衣服を着たまま計測可能な「心磁図計」を開発

心磁図計

 衣服を着たままで心臓の動作を測定できる心磁図計を、九州大の笹田一郎教授らの研究グループが開発した。心電図と併用すれば心臓の状態が詳しくわかり、心疾患の早期発見につながるという。

 心電図は心臓の動作を体の表面に表れる電圧から計測するが、心筋のどこに電流が流れているかはわからない。心磁図は心臓の神経に流れる電流が作る磁界の計測データに基づくという。

 開発した装置では、20センチメートル四方の平面に36個のセンサーを4センチ間隔で配置する。心磁界はエレベーターの稼働などで簡単に消されるほど微弱だが、外部からの磁場を遮断する軽量かつ安価な磁気シールドを開発したことで、心臓が発する磁気の計測に成功した。

 心臓の動作に伴って手首から発生する電圧も同時に計測し、2分間で心磁図が得られる。

 現在は事業化するための連携企業を探しているという。

(via 日刊工業新聞