もはやスマホが「臓器」になってしまっている人も多い時代ですが、寝る前に使うのだけは避けたほうがよさそうです。どうやら寝る直前にスマホの画面を見ると太りやすくなる「スマホ太り」という話があるそうです。どういうことでしょうか。
パソコンのモニターでもいわれることですが、スマホの画面からはいわゆる「ブルーライト」と呼ばれる光が出ています。ブルーライトは目に与える刺激が強く眼精疲労や頭痛の原因ともなりますが、ほかにも睡眠リズムを狂わせる可能性があるそうです。
スマホの光で睡眠障害に
人間がもっている睡眠と覚醒のリズムは、ホルモン「メラトニン」が重要な役割をはたしています。メラトニンは夜になると分泌して眠気をもたらします。しかし、寝る直前に強い「ブルーライト」で目を刺激してしまうとメラトニンの分泌が抑制されてしまいます。
このため、寝る前にスマホを使用すると正常な入眠が妨げられ、睡眠の質を落とすことになります。
睡眠不足が肥満の原因に
ところで、食欲を増進させる働きをもつホルモンに「グレリン」があります。一方、逆に食欲を抑えるホルモンとしては「レプチン」があります。実は、これらのホルモンバランスを正常に働かせるためには良質な睡眠が必要なのです。
健康な成人男性1024人を対象とした、睡眠時間とこれら2種類のホルモンの分泌量との関係を調べた実験結果があります。
睡眠時間が短くなると、レプチン(食欲抑制ホルモン)の分泌量が低下して、逆にグレリン(食欲増進ホルモン)の分泌量が増えていることがわかります。
つまり、睡眠時間が短いとホルモンのバランスが乱れて食欲が増進してしまい、肥満につながりやすくなるということです。
また別の研究では、健康な20代の男性12人を対象として、4時間睡眠を2晩過ごした後と10時間睡眠を2晩過ごした後とで、食べ物の嗜好がどのようになるかを調べた実験が行われました。
実験の結果、4時間睡眠の後ではケーキやクッキーなどのスイーツや、ポテトチップスやナッツなどの塩気の強い食べ物、あるいはパンやパスタといった炭水化物が食べたくなるという傾向がみられたそうです。
寝る直前にスマホを使うと巡り巡って肥満になりやすくなる「スマホ太り」。就寝の2時間前からスマホの使用を控えたり、なるべく画面の明るさを下げるなど、対策を講じる必要があるかも知れませんね。
(via microdiet.net 体内時計.jp)