睡眠と覚醒をコントロールする遺伝子を特定、睡眠障害の治療に期待

2016年11月3日　バイオニュース／脳科学，ニュース，

　睡眠と覚醒を制御する遺伝子を新たに２つ発見したと、筑波大などの研究チームが科学誌「Nature」で発表した。睡眠のメカニズム解明や睡眠障害の治療につながる可能性がある。

　研究グループは、脳の神経細胞などにさまざまな遺伝子変異を起こした８千匹のマウスを使って脳波などを分析した。

　睡眠時間が長いマウスのグループとレム睡眠時間が短いマウスのグループについて、それぞれに共通する遺伝子変異を探した。

　その結果、「Sik3」遺伝子に変異があるマウスは睡眠時間が増えること、「Nalcn」遺伝子が変異したマウスはレム睡眠が減少することを突き止めた。

　哺乳類や鳥類は通常、浅い眠りのレム睡眠と、より不快眠りのノンレム睡眠を繰り返す。

　Sik3遺伝子はノンレム睡眠の必要量を決定し、Nalcn遺伝子はレム睡眠の終了に関与していると考えられるという。

参考：時事通信・47NEWS