宇宙空間の長期滞在が体に与える影響を「一卵性双生児」の兄弟を比較して調べた結果が発表されました。細胞の老化に関わるとされる「テロメア」の長さに変化が確認されたという。
米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士であるスコット・ケリー飛行士は、2015年から1年間、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在しました。(宇宙長期滞在で細胞の老化に変化?、双子飛行士で比較研究)
ケリー飛行士には、一卵性双生児の兄弟で同時期に地球上で過ごしていたマーク・ケリー氏がいるという。
研究チームは、免疫や骨の状態、腸内環境などについて、2人のデータを比較することで宇宙空間の長期滞在が体にどのような影響を与えるかを調べました。
白血球を採取して染色体の末端にある「テロメア」の長さを調べたところ、スコット氏のテロメアは宇宙滞在中に長くなっていたことがわかりました。
また、宇宙滞在中に骨の量は減少したが、骨や筋肉の状態を改善する働きをもつホルモンの分泌量は増加していたこともわかりました。
さらに、腸内細菌についても宇宙空間にいる間に優勢となっている細菌の分布が変化したことも判明した。
宇宙空間の長期滞在による体への影響については、今後もさらに詳しく研究が進められるという。