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「スイホウガン」の水疱から採取した体液を牛血清の代わりにする研究

 中国原産の金魚「スイホウガン」の水疱から抽出した体液を細胞培養に活用する研究が進んでいる。安全性が高く、一般的な牛由来の血清の代わりに使用できるという。

 牛の血清はBSEの原因となるプリオンなど病原体を含むおそれがあるため、魚類から体液を採取する手法はより安全性が高い。しかし天然の魚では体重の数%しか採取できないため、大量の魚が必要だった。

 一方、スイホウガンの目の下に膨らむ水疱からだと、体長10センチの成魚から体重の30%近い40ミリリットルの体液を採取できる。

 また、空になった水疱は数カ月で元の状態に戻るため、同じ個体から何度でも採取が可能だ。

 すでにヒト細胞を増殖させる能力が確認されており、牛血清の1.14倍あるという。

 ただし、培養細胞を容器に接着させる性質が弱いため、容器を工夫したりほかの成分を加えるなどして実用化を目指していく。

参考:中日新聞