バイオ研究と仕事術を紹介するネットメディア 1.13 Tue

植物より高効率な酸素発生触媒を鉄錯体でデザイン、人工光合成の実現に期待

 植物の光合成より高い効率で水から酸素を発生する鉄錯体の開発に成功したと、自然科学研究機構分子科学研究所の正岡重行准教授らの研究グループが英科学誌「Nature」で発表した。エネルギー・環境問題を解決する人工光合成技術の開発につながると期待される。

 持続可能なエネルギー循環システムの構築に向けて、太陽光のエネルギーを化学エネルギーへと変換する「人工光合成」技術が開発されているが、水の分解による酸素発生反応の効率の低さが実現の障害となっていた。

 水に光を当てるだけでは酸素は発生しないため、水の分解を助けて酸素を効率よく発生させる触媒の開発が求められていた。

 研究グループは、植物の光合成で酸素発生触媒としての役割をもつ、タンパク質複合体の中に存在する錯体の構造に着目した。

 その機能を人工的に模倣して、鉄イオンと有機分子を組み合わせた鉄錯体をデザインしたところ、触媒として高い酸素発生速度と高い耐久性をもち、植物の光合成よりも良好な触媒性能をもつことがわかった。

(via JST