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国産黒トリュフを人工的に発生させることに成功

トリュフは、世界三大珍味として知られる高級食材です。国内で流通するトリュフは、すべてヨーロッパや中国などから輸入されており、近年、その輸入額は増加しています。国内での需要も高まっており、令和4年の輸入額は約20億円に達しました。




ヨーロッパでは、黒トリュフなど一部の種で菌を接種した苗木による人工栽培が行われています。国内にもヨーロッパのものとは別種のトリュフが自生しており、それらを用いた国産トリュフの栽培技術の確立が望まれていました。

トリュフは、生きた樹木の根に共生する菌根菌と呼ばれる仲間で、マツタケと同様に人工栽培は非常に難しいきのこです。

岐阜県森林研究所は、平成28年4月と7月に、国内産の黒トリュフであるアジアクロセイヨウショウロの菌を接種したコナラ苗木を野外に植栽しました。そして、植栽して7年目の今年10月、地表面にきのこが発生しているのを確認しました。

これらのきのこは、コナラ苗木に接種したトリュフ菌に由来することがわかり、国内で初めて人工的に国産黒トリュフを発生させることに成功しました。

昨年、国産白トリュフであるホンセイヨウショウロが人工的に発生することが明らかになりましたが、それに続いての国産種の人工的発生です。

今後は、キノコ発生の再現性を確認するとともに、短期間で安定的に発生させる技術開発を進めていくとのことです。

国産の黒トリュフを人工的に発生させることに成功しました