キャンプや海辺はもちろん、家の中でだって夏の暑い日に食べる「とびきり冷えたスイカ」は格別なものがあります。あの爽やかな風味が嫌いな人はあまりいないでしょう。ところが、そんな爽やかスイカも加工のために熱を加えると「カメムシ」のような臭いが発生してしまうという。何とかならないものでしょうか。
スイカの生産量ナンバーワンはどこか知っているでしょうか。個人的にはちょと意外なのですが、山形県が日本一だそうです。
山形県北村山地区は、年間のスイカ収穫量が3万トンを超える産地ですが、残念ながら実の空洞化や傷、糖度が足りなかったり熟しすぎなどの規格外品が2%ほど出てしまうという。
これら出荷できないスイカを有効活用するためには、何らかの製品に加工する必要があります。しかし、その過程でどうしても必要になってしまうのが殺菌などのための「加熱処理」。
ところが、通常たべるぶんにはあまりする人はいないと思いますが、スイカを加熱処理するといわゆる「ウリ臭」と呼ばれるカメムシのような臭いが発生してしまうそうです。
県の農業総合研究センターが研究したところ、ウリ臭の発生原因はスイカに含まれる「キュウリアルコール」と呼ばれる化合物。この物質が酸化したり果汁に含まれる酵素と反応することで「スミレ葉アルデヒド」に変化してしまうからだという。
原因がわかれば対処のしようもあるということで、どうやら「中性アミノ酸」を加えた上で加熱すると、無臭物質に変わり、嫌な臭いはなくなることがわかりました。2013年12月に特許出願しています。
スイカ糖やシャーベットなどに加工したもの試食したところ、「処理しているほうが爽やか」など好評だそうです。今後はスイカの風味を失わない処理方法をさらに研究していくそうです。