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ヤマザキパンのバッシング騒動、真相は「すべてが誤解」だった

ヤマザキパンのバッシングの真相

 食パンの「ダブルソフト」やサンドイッチの「ランチパック」でおなじみの山崎製パン。国内製パン市場で4割を誇る同社のパンですが、ネット上では「ヤマザキパンは大量の添加物を使っているからカビが生えない」「発がん性物質を使っている」などの批判を見かけます。しかしその真相は、どうやらまったくの誤解のようです。

 ヤマザキパンがネットなどで批判されるようになったのは、平成20年に出版された「ヤマザキパンはなぜカビないか」という本がきっかけでした。

 出版当初、ヤマザキパンだけが「臭素酸カリウム」を使用していること、そしてヤマザキパンが他社に比べてカビにくいことが批判につながりました。

 このことから「ヤマザキパンは他社では使わない発がん性の添加物を使っているためにカビない」という誤った認識に結びついたようです。ところが、事実はまったく異なっていました。

臭素酸カリウムは保存剤ではない

 そもそも「臭素酸カリウム」は保存料ではありません。

 臭素酸カリウムは、パンには不向きな国産小麦を「ふっくらと焼き上げる」ために使われる添加物です。カビにくくするなど保存性を高めるための添加物ではないのです。

分解されてほとんど残留しない

 確かに、臭素酸カリウムはラットを使った実験で発がん性が認められていますが、パンとして焼かれるとほとんど残留しないことが確認されています。そのため、厚労省もパンへの残留を高感度の分析で確認して使用量を制限することで、臭素酸カリウムの使用を認めました。

 山崎製パンは、「分析機器の精度が上がり、ごくわずかな臭素酸カリウムの残留まで調べられるようになった。安全を確認できる態勢が整ったからからこそ使用していた」と説明しています。

カビないのは衛生環境が良いから

 次に、ヤマザキパンがなぜカビにくいかについては「衛生環境に配慮した工場で作られているから」というのが真実のようです。一般家庭などでは、工場のように高度な滅菌状態でつくることは不可能です。厳格な衛生管理を守りながら生産していることが、逆にバッシングにつながってしまったことは、とても皮肉なことですね。

臭素酸カリウムはもう使っていない

 実は、山崎製パンでは昨年2月から臭素酸カリウムの使用をやめています。

 もちろん、疑惑を指摘されてからではありません。製パン技術の発展によって、臭素酸カリウムを使わなくてもふっくらと焼き上げることが可能になったからです。同社は「この10年で酵素製剤の種類が格段に増え、組み合わせによって臭素酸カリウムを使うよりもおいしいパンができるようになったんです」と説明しています。

バッシングはあったが売り上げは好調を維持

 名指しの批判本が出版され、バッシングを受けながらも山崎製パンの業績は順調なようです。本が出版された平成20年度の売上高は約8千億円でしたが、今年度は1兆円にも達する見込みだという。

 直接的に健康に影響を与える食品については、消費者としては気を配る必要があります。ただし、科学的根拠がなく、単なるイメージなどで判断される曖昧な情報も世の中には数多く出回っています。

 名指しのバッシングを受けたヤマザキパンが業績を落とさずに済んだのは、これまでの信用の蓄積があったことと、そして消費者も情報をうのみにしていない証拠なのかも知れません。

(via 産経新聞 image 山崎製パン

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