7月に入り全国的に暑い日が続いています。先週の1週間で熱中症により救急搬送された人は2800人を超え、去年の同時期と比べて5倍以上。春には「観測史上最も暑い年」になる可能性があると話題になりましたが、今年の日本の夏はどういう傾向があるのでしょうか。
世界は観測史上最高温度を記録
NASAの発表によると、4月の世界の気温と海水温が観測史上最高を記録しました。基準としている1951~80年の4月の平均値と比較すると、今年は1.11度の上昇を記録。
NASAの気象学者、 Gavin Schmidt博士が「99%の確率で観測史上最高になる」とツイートしたことで話題になりました。
With Apr update, 2016 still > 99% likely to be a new record (assuming historical ytd/ann patterns valid). pic.twitter.com/GTN9sPL2D7
— Gavin Schmidt (@ClimateOfGavin) 2016年5月14日
レディング大学の気象学者、Ed Hawkins博士がツイッターに投稿した、1850年以降の気温変化のアニメーションはとてもわかりやすいです。
Spiralling global temperatures from 1850-2016 (full animation) https://t.co/YETC5HkmTr pic.twitter.com/Ypci717AHq
— Ed Hawkins (@ed_hawkins) 2016年5月9日
このアニメーションを見てみると、次第に地球が温暖化している様子がみてとれますが、とくに2015年から2016年にかけて気温の上昇が著しいことがわかります。
地球温暖化のほかに、今年春にかけての気温上昇は2014年に発生した巨大なエルニーニョ現象が原因の一つであると考えられているようです。
エルニーニョ現象も終息か
「エルニーニョ現象」は、太平洋の赤道付近の海水温が高くなる現象で、逆に海水温が低くなる現象を「ラニーニャ現象」と呼んでいます。これらの現象が起こると世界各地で異常気象を引き起こすとされていますが、日本ではどうなるのでしょうか。
エルニーニョ現象が発生しているとき、日本の春は気温が上昇する傾向があります。一方で、夏は「冷夏」になる傾向があります。では、エルニーニョ現象の影響で今年の夏は涼しくなるのでしょうか。
いえ、どうやら2014年夏に発生したエルニーニョ現象は、今年の春には終息したとみられています。(気象庁・エルニーニョ監視速報)
今後は、夏の間にラニーニャ現象が発生して秋にかけて続く可能性が高いという。では、ラニーニャのときの日本の気象はどのようになるのでしょうか。
気象庁のデータによると、ラニーニャ現象が発生しているときの日本の夏は、極端に猛暑になる傾向はないようですが、どちらかというと高い傾向はあるようですね。
近年は「エコブーム」の影響でしょうか、なるべくクーラーのスイッチを入れずに暑さを我慢してしまう人も多くいるようです。しかし、それで体調を崩してしまっては意味がありません。体に異変が生じる前に、暑いときには無理せずクーラーを利用することも大事なことですね。