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自分を形作る「アノ情報」を用いて自分だけのマフラーを作りませんか?

DNAポスター

「世界でひとつだけ、自分だけ」のデザインのマフラーを作ってくれるサービスがあるそうです。そのうえ、そのデザインは自分自身を形作っている情報に基づいているというから、愛着もひとしおではないでしょうか。




ロンドン出身のデザイナーが創設した会社「Dot One」がつくるマフラーは、なんとゲノム情報に基づいてデザインされるという。

人間のゲノムを構成するDNA配列は、約99.9%が同じだと言われています。逆に言うと、各個人を特徴付けているのは残りわずか「0.1%」ということ。(会社名の「Dot One」は、この0.1%に由来しているそうです)

つまり、この「0.1%の違い」を使ってデザインしているわけですね。

そしてその中でもデザインに利用しているのは、いわゆる「STR配列」です。STRといえば、犯罪捜査や親子鑑定などのDNA鑑定でも利用されている配列で、数塩基から10塩基ほどの短い繰り返しが「何回繰り返されているか」が個人で異なることを利用しています。

STRにもいくつかの種類があって、たとえば13種類のSTRについて繰り返し数がほかの誰かと完全に同じである確率は、わずか10億分の1しかないと推定されるそうです。個人識別には十分に小さな確率ですね。

dot one社のサービスでは、頬の内側の粘膜を綿棒で軽くこすってサンプルを取り、遺伝子検査研究所の「AphaBiolabs」にDNAの解析を依頼します。ここでは23種類のSTRを調べるそうですから、地球上のほかの全ての人と区別できるとみて間違いないですね。

AlphaBiolabsによる分析結果を用いて各STRに数値を与え、dot one社がデザインします。

DNAマフラー

デザインの良し悪しはともかく、世界で自分だけのデザインと考えるだけでなんだか愛おしさを感じてしまうことでしょう。ほかにもポスターや家系図もデザインしているそうですよ。

(via WIRED