米ソの冷戦時代も終わり、「核戦争」が現実に起きるなんて、正直なところ誰も想像すらしていないと思います。ところが、最近の米国(トランプ大統領)と北朝鮮の関係を見てみると、絵空事とも思えない時代になっています。
しかし、現実に核兵器による攻撃を受けたとき、どうすればよいかを普段から想定している人位はあまりいないのではないでしょうか。
やってくるときは突然です。もし、日本が実際に核攻撃を受けたときに、どこに逃げたら最も安全かについては、前もって調べておく必要があるかも知れません。
とはいえ、専門家でもなければ効果的な避難方法なんてわかりません。そこで、総務省消防庁の国民保護室が作成する「国民の保護に関する基本指針」のポイントを抑えておきましょう。
参考資料:核攻撃等(N攻撃) – kokumin_hinan_02_s2-1.pdf
核兵器攻撃
核兵器による攻撃とは、いわゆる放射性物質を用いた攻撃を含むものをいいます。核兵器攻撃による人体に与える被害には大きく分けると2種類あります。
2.「放射性下降物」による被害。
まずはじめに襲われるのは、爆発によって発生する熱と風による被害です。しかし、直接的には爆発による被害を受けなかったとしても安心できないのが核兵器。爆発の後に空気中を飛んでくる放射性物質を受けることで、被ばくによる被害を受けるからです。
ちなみに、爆薬と放射性物質を組み合わせたものは「ダーティボム」と呼ばれています。
避難施設
それでは、核攻撃に際してどこに避難するのが最も安全なのでしょうか。
指針では、攻撃当初には爆心地周辺からすぐに離れて「地下施設」に避難するのがよいとされています。
そして一定時間が経過した後で、放射線の影響を受けない安全な地域へと避難することになります。
放射性下降物による被ばくを最小限に食い止めるためには、「風下を避けて風向きと垂直方向に避難」すべきとしています。
避難施設の優先順位
核攻撃を受ける際には、より遠く離れた安全な地域に避難すべきですが、そのような時間的余裕がない場合には、以下の優先順位が示されています。
つまり、できれば地下施設に避難するのが最も望ましいようです。
もし、すぐに地下施設に避難できない場合には、なるべくコンクリートで造られた建造物の中に避難するのがよいとのこと。
コンクリートの建造物がない場合には、屋外にとどまるよりは木造であっても屋内がよいとされています。
どのくらいの時間、避難すべきか-「7の法則」
核爆発後の放射線による被ばくを避けるために、一定時間は地下または屋内の施設に避難すべきです。
それでは、どの程度の時間が経過するまで避難していたらよいのでしょうか。
これについては、「7の法則」と呼ばれる法則があります。これは、「残留放射線の累積線量は7時間ごとに1/10ずつ減衰する」というものです。
そのため、2日間(49時間)が経過するまで避難すれば、放射線量が当初の数値から100分の1まで減衰することになります。
米軍による核実験でも、木造よりもコンクリート、そして地上よりも地下の方が被曝量が減ることが明らかになっています。
もしも核攻撃が実際に発生したならば、なるべく地下に入ること。もし地下施設が近くになければコンクリートの建物に駆け込む。それもなければ木造の建物に入り、2日間はじっと避難を続けることが重要ということです。
避難施設での工夫
では、実際に建造物に避難をしたとして、避難施設ではどのように過ごしていたらよいのでしょうか。
これについては表に詳しく掲載されているので確認していただければと思います。
施設外から放射性物質が入り込むのを避けたり、除染するなどの工夫や、マスクをしたり長袖・長ズボンを着用するなどがまとめられています。
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核兵器による攻撃はあってはならないことですが、現実に起きてしまった場合には、可能な限り身の安全を確保するための行動を自主的にとる必要があります。
事前に攻撃を知ることができた場合は、可能な限り爆心地周辺から離れて地下施設に避難すべきで、もし地下施設がなければ可能な限りしっかりとしたコンクリート造の建造物の中に避難します。もしコンクリート建造物が近くにない場合は、木造の建造物の中に避難します。
また、できる限り皮膚の露出を抑えるために手袋や帽子、ゴーグル、雨ガッパなどを着用し、さらにマスクや折りたたんだハンカチなどを口や鼻にあてます。
爆発後にも放射性物質の飛散があるため、一定時間は建物内に避難している必要があります。
その後の行動については、当局からの指示を適切に受けるためにラジオなどで情報を集める努力が必要になってきます。
核攻撃を実際に受ける可能性は低いかも知れませんが、万が一にも起きてしまったときのために、日ごろから想定しておくことが大事になってくるでしょう。
参考資料:核攻撃等(N攻撃) – kokumin_hinan_02_s2-1.pdf