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下水中のノロウイルス濃度を測定、感染性胃腸炎の流行を迅速に把握

 家庭から出る下水に含まれる「ノロウイルス」の濃度を測定する方法を、東北大の大村達夫教授らの研究グループが開発した。下水処理施設に導入することで、感染性胃腸炎の流行を迅速に把握することができる。

 感染性胃腸炎の患者から排出されたウイルスは、下水を通じて海に流入してカキなどの貝に蓄積される。

 下水中のウイルス濃度の上昇は感染性胃腸炎が流行する兆しのため、迅速に把握して警戒を呼びかけることで、2次感染の抑制につながる。

 開発した測定方法では、下水に含まれるノロウイルス由来の遺伝子を検出して数を数える。1~2日で測定することができる。

 宮城県松島町で新年度に実証試験を実施する計画で、大村教授は「ノロウイルスの挙動を見ながら、感染症の流行を未然に防ぐのが狙い。監視システムを松島町で試行し成果が確認できれば、人口の多い首都圏などで導入することも可能だ」と話している。

(via 河北新報