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新たな骨カルシウム溶解メカニズムを発見、骨内部からカルシウムが染み出す姿を観察

 骨カルシウム溶解の新たなメカニズムを発見したと、北海道大や東北大などの研究チームが科学誌「BONE」で発表した。骨が減少する病気の予防や治療法につながると期待される。

 骨折などの異常が起こると、骨細胞は破骨細胞を動かして異常が生じた部位を削り、続いて骨を修復する骨芽細胞が活動してその部位を元に戻していく。

 一方で、破骨細胞は血中カルシウム濃度が低下した際に骨表面を溶かし、血液中にカルシウムを供給する役割も担う。しかし、破骨細胞が存在しなくてもカルシウム濃度を維持する仕組みの存在がマウスの実験で示唆されていた。

 研究グループは、開発した高感度三次元X線顕微鏡を使って新たな骨カルシウム溶解メカニズムを発見した。

 骨の中に無数に存在する骨細胞が骨内に延ばした骨細管を利用し、骨形状を破壊せずに骨内部からカルシウムを溶解して、血中に放出する働きをもつことが明らかになった。

参考:北海道大学