バイオ研究を紹介するネットメディア 10.17 Thu

腸内細菌の侵入を大腸が防ぐ仕組みを解明、潰瘍性大腸炎の治療法開発に期待

 腸内細菌の侵入を大腸が防ぐ仕組みを解明したと、大阪大の竹田潔教授らの研究グループが科学誌「Nature」で発表した。海洋性大腸炎の新しい治療法の開発につながると期待される。

 大腸では、粘膜バリアの一つである粘液層が厚く表面を覆うことで腸内細菌が容易に組織に侵入できないことがわかっているが、細菌の侵入をどのようにして抑えているかは不明だった。

 研究グループは、大腸上皮細胞に特異的に発現する「Lypd8」遺伝子を欠損したマウスを作製して調べた。

 その結果、野生型マウスでは腸管の内粘液層はほぼ無菌状態に保たれていたが、Lypd8欠損マウスは内粘液層に腸内細菌が多数侵入し、腸炎の実験モデルでは重篤な腸炎を発症することがわかった。

 また、Lypd8は糖鎖が結合した「GPIアンカー型タンパク質」であり、大腸管腔に分泌されて特に鞭毛をもつ細菌に結合し、運動性を抑制して侵入を防ぐことが明らかになった。

 Lypd8タンパク質の補充療法など、粘膜バリアを増強する潰瘍性大腸炎の新たな治療法開発につながる。

参考:JST

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