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超小型ドローンを使って人工的に受粉できることを確認、ハチ減少の解決に期待

ハチを模した超小型のドローンを使って作物の受粉を助けることが可能になるとする研究論文が、科学誌「Chem」で発表されました。世界的にハチの生息数が減少している問題の解決に貢献できる可能性があります。




世界の植物のおよそ7割、人間が食べる野菜や果物などの3分の1の授粉を行っているのはミツバチだと言われています。

近年、世界中でミツバチの個体数の減少が報告されており、将来的な食糧問題につながる可能性があるとして懸念されています。

産業技術総合研究所の研究グループはまず、イエバエやアリに粘着性のゲルを塗り、箱の中に入れたチューリップの花粉を付着できることを確認しました。

次に、小型のドローンの表面を馬の毛で覆って、底面にゲルを塗ったものをササユリ畑の上空に飛ばして実験しました。ドローンを覆う馬の毛は、ハチの全身を覆っている細かな毛をまねたものだという。

実験の結果、ドローンは花粉を付着して別の花まで飛んで受粉を媒介し、人工的に受粉された花が種子を作ることが確認されました。

研究グループは、次の段階として全地球測位システム(GPS)をドローンに搭載して、人工知能で受粉経路を学習させることも目指しているとしています。