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野生動物へ餌を与える行為は動物に親しみ、自然を保護する行為として肯定的に捉えられ、行き過ぎた事例があったとしても個人の趣味やモラルに帰され、問題視されることはほとんどなかった。しかし近年、餌付け行為が野生動物を人間の生活圏へ接近させ、動物の行動変化や感染症の蔓延、鳥獣害などの様々な問題を引き起こす原因となっていることが指摘されている。本書では、野生動物に餌を与えることによって生じる諸問題を「餌付け問題」と名づけ、自然環境への影響のみならず、人間社会への影響についても議論を行う。また、様々な事例を通じて、その整理と検証を試み、餌付け規制への取組みと展望を述べる。
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