機内食が不味いのは航空会社が経費をケチっているわけではない、おいしいと感じられない科学的根拠があるという話。日常の料理をおいしく食べるヒントにもつながる話です。
地上はるか上空で提供される料理ですから、できたての料理は不可能ですし、料理の保存や効率などの問題もあるでしょう。しかし、「上空の飛行機内」という特殊な環境が味覚に影響する生理学的問題もあるようです。
湿度と気圧が影響
舌で感じる「味覚」と鼻で感じる「嗅覚」には、適切な湿度と気圧があるそうです。
機内の温度はおおむね24度にエアコンで調整されていますが、湿度は長時間のフライトになると20%を下回ります。飴が提供されることもありますね。
また、機内の気圧は地上よりも2割低い0.8気圧に調整されています。なぜ1気圧にしないかというと、上空1万メートルだと大気圧が0.2気圧まで下がり、機内と機外との差をあまりにも大きいと飛行機の胴体の強度がもたないからだそうです。
湿度と気圧が低い環境では、特に塩味と甘味を感じにくくなるという。さらに嗅覚の機能が落ちるため、料理本来のおいしさが味わえないそうです。
機内の空気が問題となると、たとえ料理の味に満足できないからといって、文句を言うわけにはいきませんね。
機内でもおいしいのは和食?
しかし、日本人にはお馴染みであるグルタミン酸がもたらしてくれる旨味に関してだけは影響を受けないという。いや、むしろ乾燥した空気によって強化することすらあるそうです。
ということは、機内でも食べもおいしく食べることができる唯一の料理は「和食」ということになりますね。
(via lifehacker photo by Hirotomo Oi)