バイオ研究と仕事術を紹介するネットメディア 5.17 Fri

閉鎖環境でのストレス評価法を開発へ、JAXAが実験参加者を募集開始

ストレス診断法

 国際宇宙ステーション(ISS)で滞在する宇宙飛行士の心理的ストレスを評価する指標を開発するため、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が筑波宇宙センターにある閉鎖環境施設を使った実験を来年2月に実施する。宇宙飛行士の健康管理法の改善や将来の有人火星探査に適用する。

 ISSで長期間にわたり滞在する宇宙飛行士のストレスについては、医師がテレビ電話で面談してチェックしているが、客観的で簡単な評価法の開発が求められている。

 実験では、20~55歳の健康な男性8人に来年2月4日から14日間、約11メートル×8メートルの閉鎖環境で生活してもらう。比較用データを事前に取得するため、実験は1月下旬から始める。

 施設内では携帯電話の持ち込みなど外部との接触は一切禁止され、折り紙などの単純作業やグループで取り組む課題などをこなす。飲酒や喫煙も禁止される。予期しないイベントによるストレス負荷もあるという。

 内部の様子が24時間モニターされ、表情や声色、唾液や血液の成分変化などが測定され、ストレス状態の変化を反映する指標を絞り込んでいく。

 実験は2016年度も計3回実施する予定だという。24日から募集が開始されている(http://www.jcvn.jp/jaxa/)。