ホルモンバランスが崩れて肥満や高血圧などを引き起こす難病「クッシング病」の治療薬になる可能性のある薬剤を見つけたと、東北大の菅原明教授らの研究グループが科学誌「PLOS ONE」で発表した。
クッシング病は、脳下垂体にできた腫瘍が原因でホルモンのバランスが崩れ、肥満や高血圧、糖尿病、免疫低下などさまざまな症状を引き起こす病気。
脳下垂体からの副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が過剰になるため、副腎皮質から過剰なステロイドホルモンが産生される。
研究グループは、レチノイドX受容体(RXR)が下垂体ACTH産生細胞やクッシング病組織で発現していることから、RXR活性化剤「HX630」が治療薬になるかどうかを検討した。
マウス下垂体のACTH産生細胞にHX630を添加したところ、ACTHの分泌が抑制されることがわかった。
また、ヌードマウスにこの細胞を移植してACTH産生腫瘍を形成した後でHX630を投与すると、有意に腫瘍の増殖が抑えられることも確認されたという。
(via 東北大学)