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自閉スペクトラム症の人は不快と感じる対人距離が短い

 自閉スペクトラム症の人は不快と感じる対人距離が短いと、東京大の長谷川寿一教授らの研究グループが科学誌「PLOS ONE」で発表した。

 人は他者と接する際にさまざまな対人距離を取るが、自閉スペクトラム症者がどのような対人距離を示すかについては、これまで明らかになっていなかった。

 研究グループは、12歳から19歳の自閉症スペクトラム症の人と定型発達の人を対象に実験を行った。

 まず、実験参加者と研究者が離れた位置に立ち、その後、研究者が参加者に近づいていき不快と感じる地点を参加者に答えてもらった。その結果、自閉スペクトラム症の人は不快と感じる対人距離が短いことがわかった。

 また、研究者が参加者に近づく際にアイコンタクトを取ると、いずれの参加者も対人距離を長く取ることがわかった。

 自閉スペクトラム症の人と自閉スペクトラム症でない人が、互いに相手の快適な対人距離に配慮することで、よりよいコミュニケーションの達成につながることが期待できるという。 

(via 東京大学