神経細胞間で情報伝達物質が通過する隙間「シナプス間隙」に未知の構造物をショウジョウバエの実験で発見したと、京都産業大の浜千尋教授らの研究グループが発表した。これまでシナプス間隙の機構はほとんどわかっていないことから、脳機能の解明につながるという。
研究グループはこれまでに、シナプス間隙にタンパク質「Hig」があって神経伝達物質「アセチルコリン」受容体の量を制御していることを発見していた。
今回の研究では、Higと似た構造をもつタンパク質を探索して、より詳細にシナプス間隙の仕組みを調べた。
その結果、Higと類似したタンパク質「Hasp」を発見した。超高解像顕微鏡などで観察したところ、HigとHaspは別の部位に存在して、構造物を形成していることが明らかになった。
また、HaspがなければHigが存在できないこともわかった。
今回発見された構造物は神経での情報伝達を助けている可能性があり、さらに詳細に調べるとしている。
(via 京都新聞)