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レクチンの反応性でヒト間葉系幹細胞の分化する能力を評価する技術を開発

 ヒト間葉系幹細胞の分化する能力を簡便かつ迅速に評価する技術を開発したと、産業技術総合研究所の研究グループが科学誌「Glycobiology」で発表した。和光純薬工業が1年以内に実用化する予定だという。

 ヒト間葉系幹細胞は、自己複製能と分化能をもち腫瘍形成の危険性がほとんどないことから、再生医療のための細胞源として注目されている。一方で、分化の能力について評価法がないことが課題となっていた。

 研究グループは、「レクチンマイクロアレイ」を用いて各種のヒト間葉系幹細胞を解析した。

 その結果、4種類のα2-6シアル酸結合性レクチン(TJA1、SSA、SNA、rPSL1a)が、分化する能力が高い細胞との反応性が高く、逆に分化する能力が低い細胞との反応性が低いことがわかった。

 4種類のうち、大腸菌で調製した組換えタンパク質であるrPSL1aの蛍光標識体について、1年以内に実用化される予定であり、ヒト間葉系幹細胞を用いた再生医療の実現に貢献すると期待される。

参考:産業技術総合研究所