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原発事故の避難区域の野ネズミ、生殖機能に影響は見られない

 東京電力福島第1原発事故の避難区域に生息する雄の野ネズミを調べたところ、比較的高いレベルで内部被ばくしていたが、生殖機能については影響は見られなかったとする調査結果を、国立環境研究所が発表した。

 調査は、2013年と14年の7月から9月に北里大や富山大と共同で実施した。第1原発から約30キロ地点の2カ所と青森県、富山県から、繁殖期にあるアカネズミ計約100匹を捕獲して調べた。

 その結果、福島で捕獲されたネズミからは中央値で1キログラムあたり2000ベクレルのセシウム137が検出されたが、生殖細胞の細胞死頻度や、形態異常の精子の出現頻度については青森や富山のネズミと比べて差がなかった。

 同研究所は、被ばくによる生息数の減少などは考えにくいとしている。

参考:河北新報