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分化した細胞を幹細胞に誘導する、動物と植物で共通の遺伝子を発見

分化した細胞を幹細胞へ変化させる働きをもつ、動物と植物とで共通の遺伝子を発見したと、基礎生物学研究所などの研究チームが科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」で発表した。




動物の細胞では、分化した細胞を再び幹細胞に戻す遺伝子が見つかっており、iPS細胞などに利用されている。

植物でも同様に幹細胞に戻す仕組みがあることが知られているが、動物と植物ではそれぞれ独立に進化してきたことから、それぞれ違う仕組みで幹細胞が作られると考えられてきた。

研究グループは、コケ植物のヒメツリガネゴケがもつ「CSP遺伝子」を調べていたところ、この遺伝子が幹細胞化を誘導することを発見した。

この遺伝子の配列を調べたところ、哺乳類でiPS細胞への誘導に使われる遺伝子の一つである「Lin28」と配列が似ており、同じグループであることがわかった。

CSP遺伝子の機能を詳しく調べることで、幹細胞へと誘導する動物と植物で共通の仕組みが解明できる可能性がある。