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脳波を使って「RとLの違い」が聞き分けられるニューロフィードバック技術を開発

日本語にない音の違いを学習できる「ニューロフィードバック技術」を開発したと、情報通信研究機構などの研究チームが発表しました。日本人が苦手とする「RとL」の音の違いについて、学習しようとせずにリスニング能力が向上するという。




これまでの英単語のリスニングの学習では、たとえばrightとLightなど聞いた音についてどちらの音かといった試験を行い、正解かどうかを学習者に伝えて学習を促す場合が多く、そのため成果が出るのに時間がかかっていました。

しかし、今回の方法ではrightとlightの音を聞いたときの脳活動パターンを取り出して学習者にフィードバックすることで、音を聞き分けている意識がなくても5日間ほどで聞き分けることが可能になりました。

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音の違いに対して反応する脳活動「MMN(Mismatch Negativity)」を円の大きさで表現して、ディスプレイに映して学習者にみてもらいます。

ニューロフォードバックによる学習法では、聞いている英単語に注意を向けず、音の違いに対して反応するMMNを大きくするように努力します。

学習者は、この円を大きくするようにイメージすることで、自分のMMNを大きくすることができ、その結果、リスニング能力を向上させることが可能になります。

実験では、各参加者は1日あたり1時間程度のトレーニングを行いました。5日間のトレーニングを行ったところ、聞いた音がrightかlightかを答える認知試験の結果が向上し、コントロールグループでは正答率60%だったのに対して、トレーニングを実施したグループでは正答率90%になりました。

今回の手法を使うことで、日本人の苦手な発音の聞き分けに効果的な英語学習法の開発につながると期待されます。

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