すべての身体運動の基礎であり、姿勢をよくして肩こりや腰痛の改善にもつながるとされる「体幹トレーニング」。本屋でも数多くのトレーニング本が並んでいますが、自宅で簡単にできて道具が一切いらない「プランク」と呼ばれるトレーニング法が良さそうです。いったいどのようなエクササイズなのでしょうか。
体幹トレーニング
体幹トレーニングで鍛えられる筋肉は、一般的なトレーニングで鍛えられる「目に見える」筋肉とは異なります。
お腹の深い部分にあるコルセットのような働きをもつ筋肉だったり、呼吸で使われる横隔膜であったり、あるいは背骨の位置や骨盤を安定化させるような「体の軸」に近い筋肉になります。
そのため、一般的な筋肉トレーニングではなかなか効率よく鍛えることができない部位でもあります。
体幹を鍛えるメリットとしては、身体の軸となる部分が鍛えられることでバランス感覚が向上したり、基礎的な運動能力がアップすることが挙げられます。また、背骨が伸びることで姿勢がよくなり、肩こりや腰痛の改善、心肺機能が向上するなどの健康面でのメリットも大きいことが知られています。
プランク=「厚い板」
「プランク」と呼ばれる体幹トレーニングはどのようなエクササイズなのでしょうか。これは、上の図がすべてを表しています。
「厚い板」を意味するプランクというネーミングが示すように、このトレーニングでは体を使って「一枚の板」をつくります。腕立て伏せの姿勢に似ていますが、この姿勢をひたすらキープするのがプランクです。
特別な道具は一切使わず、どこでも一人でできるトレーニングですので、今すぐにでも始めることができます。
30日間プランク・チャレンジ
プランクは正しく実践できればとても効果的な体幹トレーニングになります。
前腕とつま先で体を支えて、床に対して体が平行になるようにキープします。拳を握った方がやりやすいようです。ポイントは、背中が曲がったりお腹が落ちないように気を付けること。正しい姿勢で実践していれば、数十秒でつらくなってくるはずです。
ちょっとした空き時間(テレビのCMなど)にやるだけで効果はありますが、より効率的に体幹を強化するために、「30日間プランク・チャレンジ」のプログラムが提案されています。
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1日目は25秒間キープから始めます。2日目は30秒、3日目は35秒・・・といったように1日に5秒ずつ増やしていきますが、3日おきに休養日を入れます。このスケジュールを続けていくと、30日目には3分間のプランクができるようになっています。
ただしこれは、あくまでも一例ですので、無理をせず可能な範囲で続けていくのがよいですね。
最初はなかなか正しい姿勢を取れませんが、やり続けていくうちにキレイなプランクができるようになります。
より正しいプランクをするためには、以下の点に気をつけるようにします。
- 頭は水平に保ち、見上げない
- 肘は脇の下から真っ直ぐ下に置く
- 尻の筋肉をしぼる
- 肩は耳より下の位置に保つ
- 足は腰の幅に広げる
ちなみに、プランクの世界記録は1時間20分とのこと。もしこれより長くできるようになれば、ギネス記録ということですね。