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夜型の生活習慣は虫歯リスクを高めてしまう

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近年は虫歯や歯周病などがほかの病気の発症リスクを高める要因になる可能性が指摘されていますが、生活習慣と虫歯との関連もまた研究されています。どうやら、夜型の生活をすると虫歯のリスクを高めてしまうようです。




夜型の生活習慣は肥満などの生活習慣病につながるといった研究結果が報告されていますが、虫歯の発生リスクとの関係についてはどうでしょうか。

北海道大学などの研究グループは、歯科外来を受診した16歳以下の患者を対象として調査を行いました。

就寝と起床の時刻、食事や間食の時刻とその内容、そして歯磨きの時刻などを家庭で8日間記録してもらいました。

調査の結果、乳歯の年齢の対象者38名(2~7歳)では就寝時刻や夕食時刻のばらつき、そして間食回数が虫歯の本数と相関があることがわかりました。

一方、永久歯の年齢の対象者33名では夕食時刻のばらつきのみが虫歯の本数と相関がありました。

虫歯リスクと生活習慣の関係(北海道大学)

虫歯はミュータンスレンサ球菌などの細菌が糖分を摂取して産生された酸によって起こります。

夜型の生活習慣をもつ子どもは夜遅くに食事や間食をするケースが多くなりますが、夜間は唾液の分泌量が減少することから細菌に対する防御機構が弱まります。その結果、細菌が増えて虫歯の発生や進行のリスクが高まることが考えられます。

研究の結果からは小さい子どもほど夜型の生活習慣が虫歯の発生リスクに対する影響が大きいことが示されました。

従来から夜更かしをしたり夜遅くに食べることが健康を害することは経験的に言われてきましたが、この調査結果から実際に虫歯リスクに影響がある傾向が確認されました。

虫歯を予防するという観点からも、早寝早起きをして夜型の生活習慣を見直す重要性が明らかになったようです。