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気が遠くなる未来の宇宙のはなし

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60億年後、太陽が地球を飲み込む!?地球に超大陸出現?銀河系とアンドロメダ銀河が衝突?新たな「子ども宇宙」の誕生?宇宙最後の「イベント」が起きる?

本の説明

内容紹介
 『眠れなくなる宇宙のはなし』シリーズ待望の第3弾です。地球、太陽、太陽系、銀河系、そして宇宙全体について、最新の学説に基づく「未来予想」を紹介。

「1500年後:地球が氷期に入る?」
「2000年後:地球の磁場が一時的に消える?」
「2億年後:地球に超大陸が出現する?」
「30億年後:銀河系とアンドロメダ銀河が衝突する?」
「100兆年後:すべての恒星が燃え尽きる?」
「10の34乗年以降:宇宙からあらゆる物質が姿を消す?」

――著者の専門である最新宇宙論の話もたっぷり語られています。
内容(「BOOK」データベースより)
 60億年後、太陽が地球を飲み込む!?地球に超大陸出現?銀河系とアンドロメダ銀河が衝突?新たな「子ども宇宙」の誕生?宇宙最後の「イベント」が起きる?

レビュー(Amazonより)

本書はタイトル通り、現在の地球・太陽系・銀河系、そして銀河系外の銀河・銀河団、究極的には今ある「宇宙」全体の未来を、宇宙物理学や量子論等を平易に解説しながら紐解いていく。物理や量子論といっても本格的なものでなく、単純化して比喩や図説を要所で利用して一般読者をかなり意識した内容構成である。この辺りは、『たとえば銀河がどら焼きだったら』(文庫版もある)と内容面で多少重なる部分があるように思う。ただ本書はあくまで現宇宙の未来論であり、前掲本は宇宙物理学・素粒子論などの基本的一般論なので趣旨は異なり、両者を読むことも充分に意義がある。

本書は、宇宙のx万年後・xx億年後などといった宇宙年齢(138億年)以上の遥かな未来の宇宙を、現段階の理論から解説するという形式上、必然的に推測(に推測を重ねたもの)になりがちではある。まずは、地球と太陽系歴史現状(氷期・間氷期サイクル、地磁気変化、太陽活動の変動・スーパーフレアの発生他)を外観、そして太陽系の寿命・最後へと進む。そして銀河系・銀河系外宇宙の未来について考察し、いわゆる「ビッグクランチ」や「ビッグリップ」、簡略な素粒子論を織り混ぜながらダークマター、ダークエネルギー、恒星の終末、ブラックホール、銀河の吸収・衝突などを概観していく。終盤はやや抽象的に感じたが、著者の宇宙観で締め括るものと言えよう。また”宇宙膨張速度は光速を越える”という、いわゆる相対論的因果律にも言及されている。後半はやや内容が濃くなるが解説が丁寧なので、一般読者でも充分に読み通せよう。