総務省がNHKの受信料制度の見直しに着手します。この先NHKがインターネットを利用した配信サービスを展開していくことを踏まえ、テレビをもたない世帯からも受信料を徴収することについて検討を始めるという。国民からは相当な反発が予想されます。
テレビがお茶の間の中心にあった時代はもう昔のこと。パソコンやタブレット、そしてスマホを含めると、一日のうちのかなりの時間をインターネットの利用に費やしている人は少なくありません。NHKとしてもインターネット配信はもう無視できない時代になったようです。
NHKの籾井勝人会長は、テレビ放送と同時にインターネットを通じてパソコンやスマホでも番組が見られる「同時再送信」を3年以内に実現して、ネット視聴者からも受信料を徴収する意向をすでに明らかにしています。東京オリンピックの開催に間に合わせたいという理由もあるようです。
総務省は9日、NHKの「放送と同時のインターネット配信」について認可を行う予定であると発表しました。NHKは2015年度内のサービス開始を目指しています。
NHKが行うインターネット配信では、本格的な運用に先立って試験放送が行われます。まずは2種類の試験放送が予定されているという。
1つ目は、サッカーや野球などスポーツイベントの4時間以内の生中継を、年間5件以内でネット配信します。2つ目は、受信契約者からの参加者を募集し、NHK総合・教育で放送されている番組を1日あたり16時間以内、1週間~3カ月にわたって同時にネット配信するというものです。募集は数千人~1万人程度になります。
それでは受信料の徴収制度はどのようになるのでしょうか。
現行の制度では、テレビがある世帯にNHKとの受信契約を一律に義務づけています。放送とネットの同時配信が始まった場合は、パソコンなどのネット端末をもつ世帯に納付義務を課す案や、テレビの有無にかかわらず全世帯から徴収する案も浮上しているとか。そうなると事実上「NHK税」ともいえます。これには不満の声が続出。「スクランブル化して自由契約にすべき」「いっそのこと国営化したらよい」といった声まで出ているようです。
NHKのネット配信は近いうちに実現されることになります。受信料徴収についての制度改革は、今後さまざまな議論がなされていくことでしょう。