バイオ研究を紹介するネットメディア 10.17 Wed

死後になってから活動を始める「ゾンビ遺伝子」がある

1

心臓や脳の機能が停止して生命活動を終えると肉体は死を迎えます。ところが、死後に覚醒して活動をはじめる「ゾンビ遺伝子」なるものがあるという奇妙な研究結果が確認されているようです。いったい、これらの遺伝子は生体にとってどのような意味があるのでしょうか。

米ワシントン大学の研究グループは、生命活動を終えた生物の細胞に何が起こっているのか、20匹のマウスと43匹のゼブラフィッシュを使って実験を行いました。

研究グループは、3万超の種類の遺伝子について、マウスとゼブラフィッシュそれぞれの遺伝子の活動を調べました。実験では、死後の個体と生体との間でmRNAレベルを比較して、死後に活動的になった遺伝子を分析しました。

その結果、マウスでは515種類の遺伝子が死後に活動的になり、中には2日間も活動を続けるものがあったという。ゼブラフィッシュでは死後に548種類の遺伝子が活性化。その後4日間も活動を持続した遺伝子もあったようです。

研究グループが捉えたmRNAは生きている間に生成されたものだとの反論もあるかも知れません。しかし、mRNAの転写レベルが死後に何度か増加ピークを示していたことが確認されているため、どうやら死後に目覚めた遺伝子があることが示されたようです。

ではいったい、どのような遺伝子が死後に活動的になったのでしょうか。さまざまな種類の遺伝子があったようですが、免疫システム、がんに関係するもの、ストレス関連、あるいは出生後には必要がなくなる発生関連の遺伝子もあったとのこと。

人体についても同じような「ゾンビ遺伝子」の研究が報告されています。

スペインの研究グループによると、死後24時間以内の検体の細胞を分析したところ、タンパク質合成に関係するRNAが死後も活動していることが明らかになりました。死後であっても、活動を続ける遺伝子があるということです。

いったいなぜ死後にも活動を続ける遺伝子があるのでしょうか。

現時点では明らかになっていませんが、少なくとも細胞レベルで捉えると、死の定義をあらためていく必要性があるのかも知れません。

新着記事