バイオ研究と仕事術を紹介するネットメディア 5.18 Sat

白血病治療薬「ニロチニブ」でパーキンソン病患者の症状が改善

白血病治療薬でパーキンソン病の症状回復

 白血病治療薬「ニロチニブ(商品名:タシグナ)」をパーキンソン病患者に投与したところ、認知機能や運動機能の改善が見られたと、米ジョージタウン大の研究チームが北米神経科学会で報告した。

 パーキンソン病患者11人を対象とした小規模な臨床研究を実施したところ、一部の患者で大幅な症状の改善がみられた。

 ニロチニブを投与された患者は体の震えなどパーキンソン病特有の症状が減り、これまでの薬剤を減らすことができた。研究チームによると、ドーパミンを生成する脳の機能が改善したと見られるという。また、少ない投与量のため深刻な副作用もなかった。

 ただし今回の臨床研究ではプラセボによる比較試験を行っておらず、小規模な臨床研究であるため、今後は大規模な研究で効果を確認する必要がある。

 研究チームのフェルナンド・ペイガン准教授によると、2016年にもパーキンソン病やアルツハイマー病を含む神経疾患について大規模な臨床試験の実施を計画しているという。

(via ニュースイッチ