リボソームでタンパク質が合成される際、80%以上は一時停止を伴う「緩急のリズム」とともに合成されることを突き止めたと、京都産業大学や東京工業大の研究チームが米科学アカデミー紀要で発表した。タンパク質の高品質大量生産などへの応用につながると期待される。
近年、リボソームにおけるタンパク質の合成過程において「一時停止」が起こる現象が知られてきた。しかしどの程度普遍的に起こるかについてはわかっていなかった。
研究チームは、リボソーム内で蓄積するペプチジルtRNAを調べることで、翻訳の「一時停止」の頻度を解析した。
大腸菌ゲノムの約4分の1にあたる1038遺伝子について調べた結果、80%以上の遺伝子で翻訳の一時的停滞が1回または複数回起きることがわかった。
今後は翻訳停滞の原因となる因子やメカニズムの解明を目指すとしている。
(via 東京工業大学)