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高感度なADCC活性測定法を開発、凍結保存した検体でも測定可能に

 高感度にADCC(抗体依存性細胞傷害)活性を測定する新たな手法を開発したと、国立がん研究センターの研究グループが英科学誌「Scientific Reports」で発表した。凍結保存した検体でも測定が可能となり、抗体薬の効率的な開発につながると期待される。

 新しく開発した手法では、まず標的がん細胞にあらかじめ緑色色素を取り込ませて、がん細胞と免疫細胞を区別する。次に、それぞれ生きている細胞と死滅した細胞を区別できる色素(FVD)で標識してフローサイトメーターで測定する。

 がん細胞と免疫細胞を別々に、生きている細胞と死んだ細胞について一個単位で区別できるため情報量が多く、より精細な測定が可能になった。

 従来の方法と比べるて100分の1以下の低濃度の抗体でADCC活性が測定できるという。

 また、従来の測定法では血液検体を凍結保存すると結果のバラツキが大きくなり、再現性が乏しかった。一方、新しく開発した手法では凍結検体でも1カ月以上にわたり再現性をもって測定できることが確認された。

(via 国立がん研究センター