脊髄損傷後に生じる免疫機能の低下が、免疫を制御する神経回路の異常な活動で引き起こされることを発見したと、シンシナティ小児病院医療センターの研究グループが科学誌「Nature Neuroscience」で発表した。
脳や脊髄が損傷すると免疫機能が低下して感染症を発症するが、その原因は不明だった。
研究グループは、免疫器官である脾臓と接続する神経回路に着目し、脊髄損傷によって一度神経回路が破綻すると、免疫器官を制御する神経回路が脊髄内で代償的に新たな回路網を形成することを発見した。
さらに、新たな回路内での神経回路の活動を遮断すると、免疫機能の低下が回復することがわかった。
今回の研究結果から、神経系を制御して免疫機能を改善する新たな治療法の開発につながると期待される。
参考:JST